東北福祉大(宮城)が古豪復活へ前進した。3年前の女王・青学大(東京)に3-0でストレート勝ちし、4年ぶりの8強を決めた。96年には東北勢唯一の優勝を成し遂げ、準優勝も3度経験。ミドルブロッカー高石明美主将(4年=札幌大谷)がチーム最多18得点で存在感を際立たせた。

決めるべき人が試合を締めた。第3セット24-22でマッチポイントを迎えると、高石主将が鋭いスパイクを放ち、勝利をつかんだ。「(松田健太郎)監督もチームも『自分で勝負だ』と言ってくれて、最後まで信じて上げてくれたので、決められて良かった」。前日1日の2回戦(初戦)で広島大にストレート勝ちの勢いをさらに加速させた。

終盤にビッグプレーが飛び出した。同20-18、青学大エースが渾身(こんしん)の力でスパイクを放ったが、高石主将は両手を伸ばしシャットアウト。「青学も後がない状況だったので、エースを止めたのはチームとして大きかった」。ブロック直後にもスパイクを決め、連続得点で4点差に引き離し、チームに精神的余裕を与えた。

コロナ禍で約4カ月、ボールを使えない時期もあったが、今大会をモチベーションにランニングや筋力アップに注力してきた。「ベスト8に1年生のときから入れず、まずはひと安心だが、目標は日本一なので、そこに向けて進みたい」。今日3日の準々決勝では2連覇中の筑波大(茨城)と対戦。「トーナメント表が決まったときから『筑波を倒して日本一になる』と練習してきた。自分たちの持ち味を出してしっかり攻めて勝ちきりたい」。24年ぶりVへ最大の難関を突破する。【山田愛斗】