F1第16戦サヒールGPが開幕し、フリー走行1回目・2回目ともにメルセデスAMGのジョージ・ラッセルがトップタイムを記録した。

ラッセルは新型コロナウイルス陽性で欠場したルイス・ハミルトンの代役としてウイリアムズから電撃加入。わずか3日間でヘルメットやレーシングスーツを用意し、チームもハミルトンより12cmも身長の高いラッセルがなんとか乗り込めるようコックピットの調整を進めた。本来のサイズよりも小さなシューズを履くなどしてもなお、肩周りが窮屈でヘルメットもハミルトンより高く飛び出るかたちであり、理想的なシートポジションとは言えない。それでも不慣れなメルセデスAMGのマシンに乗り込んで初日でいきなりの快走を見せた。

「W11に乗り込んで良い1日目になったよ。でもまだまだやらなければならないことはある。燃料が重い状態での走行には苦戦したし、FP2ではバルテリ(・ボッタス)がタイム抹消にならなければ彼がトップだった。新しいレイアウトは通常のサーキットとはかなり異なるから簡単ではないし、予選は僅差で、決勝もドラマチックな展開になりそうだ」

1週間前のバーレーンGPと同じバーレーン・インターナショナル・サーキットながら、インフィールド区間をショートカットするような全長3・543キロメートルのアウタートラックが使用されている。実質的なコーナーは4つしかなく、スロットル全開率が高い。

レッドブル・ホンダはマックス・フェルスタッペンがタイムアタック1周目をミスで逃したものの0・128秒差の2位、アレクサンダー・アルボンは5位。アルファタウリ・ホンダ勢も6位・9位と好発進を見せた。

(米家峰起通信員)