16年リオデジャネイロ五輪男子100キロ級銅メダルの羽賀龍之介(29)が、決勝で同じ旭化成の後輩で前大会3位の太田彪雅(23)に延長の末、一本勝ちし、初優勝を果たした。豊富な経験と代名詞の内股を武器に、成熟した柔道を披露。3回戦で優勝候補の影浦心(日本中央競馬会)を撃破するなど1回戦から全6試合を一本勝ちした。29歳の名手が意地を見せ、柔道の総本山で存在感を示した。

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今大会には東京五輪代表・補欠の5人が「推薦枠」で出場した。

初出場の90キロ級代表の向翔一郎(ALSOK)は、3回戦で延長の末、太田に一本負けを喫した。「技をかけても利かない。岩のようだった」と苦笑い。81キロ級補欠の藤原崇太郎(日体大)、100キロ級補欠の飯田健太郎(国士舘大)も3回戦敗退。90キロ級補欠の長沢憲大(パーク24)は、所属内から新型コロナウイルスの陽性者が出たため欠場した。

 

準優勝の太田彪雅 同じ会社の先輩後輩関係なく、必ず優勝すると心を鬼して臨んだがダメだった。組み手で圧を受けてしまったのが敗因だったと思う。