女子ダブルスは福島由紀(27)、広田彩花組(26=丸杉Bluvic)が18、19年世界選手権連覇中で昨年のこの大会の優勝者である永原和可那(24)、松本麻佑組(25=北都銀行)に21-17、21-12でストレート勝ちし、2年ぶり3度目の優勝を飾った。「素直にうれしい。優勝した瞬間はいろいろな人の顔が浮かんだ」。福島と広田は安堵(あんど)の表情を浮かべた。

かつては世界選手権で3年連続銀メダルに終わり、“シルバーコレクター”と呼ばれていた。しかし、今年3月に伝統の全英オープンで初優勝を飾って殻を破り、コロナ明け初戦だった11月のデンマークオープンでは決勝でナガマツ組を下して優勝。全日本総合選手権でも決勝でナガマツ組に2-0で勝利した。

今回の勝因は、攻撃力に秀でた長身ペアのスマッシュを返すだけではなく、そこからさらに一段高いレベルの返球をしたことだ。福島は「広田と攻撃をどうしのぐかを考えていた」と言い、と、広田は「レシーブからも攻撃に持って行った。自分たちが攻撃したほうが相手もミスが出た」と胸を張った。

50分間の試合中には100回を超えるラリーが何度かあったが、持ち味の粘りも十分に発揮し、ミスがほとんどなかった。これには連覇を阻まれたナガマツ組も脱帽。永原は「相手のレシーブが堅く、プレーに迷いが出た」と言い、松本は「相手の良さを自分たちが引き出してしまった」と悔やんだ。

世界トップクラス同士の対戦で、昨年までは相性の悪かった相手に対してのストレート勝利は価値がある。次は1月にタイの試合が待っている。「きょうの優勝は来年の試合に勢いづくような結果だったと思う。来年も1戦1戦とりくみたい」(福島)。「ここで優勝できたのは自信になる。来年にもつながる。1戦1戦を大事来年も戦っていきたい」(広田)。成熟コンビはすぐに21年へ目を向けた。