新潟工(17大会連続45回目)の16年以来4大会ぶりの3回戦進出はならなかった。

中部大春日丘(愛知第1、8大会連続10回目)に5-48で敗れた。相手の速い攻守に苦しめられて8トライを許した。試合終了間際、NO8稲村心主将(3年)が押し込んだモールから、唯一のトライを決めて一矢報いた。

最後に意地を見せた。ボールをしっかりと地面に押しつけたのは稲村だった。ノーサイド直前、新潟工はゴール右寄り5メートル付近で得たペナルティーからモールを形成。13人の固まりになってインゴールを越え、最後は主将がトライ。伝統のスタイルで奪った。

中部大春日丘の鋭い出足の前に流れをつかめなかった。8トライを重ねられ、自分たちの時間をつくることができなかった。それでもこだわった。「FW、バックス一体となって1つトライを取れた。やってきたことは間違っていなかった」。稲村は淡々と話した。

1年の時から主軸として花園で戦ってきた。今年は「主将として誰よりも声を出して体を張ろうと思っていた」。その意気込みを形にした最後のトライ。樋口猛監督(48)は「みんなで力ずくでトライを取った。頑張ってくれた」と稲村を中心に一丸となったチームをたたえた。

稲村は明大に進学してラグビーを続ける。「あきらめずに最後までやる、小さいことでも積み重ねていけばやれる。この体験を生かしていきたい」。花園での経験を上のレベルでの成長材料にする。