大阪朝鮮高は試合終了のロスタイム9分超まで10分以上、必死のゴール前ディフェンスを展開し、4点差を守り切った。

後半29分、自陣ゴール前5メートルの相手ラインアウトの寸前「ロスタイム2分」のアナウンスがあった。相手ボールスクラムでターンオーバーし、NO8金勇哲主将がボールをタッチに蹴り出したが、試合は終わらず、その後もひたすら我慢、粘り勝った。

NO8金勇哲主将は「蹴った時は時計が33分だったんですが…僕の焦りです」と言う。権晶秀監督(39)も「蹴って正直(試合は)終わったと思いましたが…。選手を信じるだけでした」と安堵(あんど)した。

3度目のベスト4を決め、相手は桐蔭学園。89、90回大会の過去2度の4強進出はいずれも準々決勝で流通経大柏に勝ち、準決勝で桐蔭学園に負けた。初の決勝へ。権監督は「チームとして、3度目の正直にしたいです」と闘志を燃やした。【加藤裕一】