オービックが後半地力の違いを見せつけ、7年ぶりで日本一を奪回した。関学大に粘られ、食い下がられ、前半は14-12の接戦となった。

後半早々にQBジミー・ロックレイ(28)から、WR野崎貴宏(26)へのロングパスでTDして突き放す。さらに2TDを加えて35-18で勝利し、最多優勝記録を8に伸ばした。これで社会人が12連勝を飾り、学生との通算対戦成績は26勝12敗となった。

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オービックの爆発的攻撃に後半やっと火が付いた。最初の攻撃の3プレー目。右サイドを縦に走った野崎へ、きれいに52ヤードのTDパスが決まった。

野崎は前半最初の攻撃でも同じパスを受けた。この時はゴール前8ヤードで捕まった。次のプレーでランでTDも「何十回と練習したパス。あそこのゾーンは決まって当たり前もTDできなかった。2度目はTDを意識していた」。MVPとなる狙い通りのTDでチームを勢いづけた。

後半2度目の攻撃は、1プレー目にWR西村が49ヤードの独走TDを挙げた。第4Qに入るとTEハフが42ヤードのTDパス。3連続で独走TDを挙げ、食い下がる関学大を突き放した。コロナ禍で今回は試合時間が1Q15分から12分に短縮された。それでも通算8度目の優勝で、3番目となる35点をマークしてみせた。

大橋ヘッドコーチ(HC)は今季GMから5季ぶりに現場復帰した。ジャパンXボウル(JXB)では富士通のV5を阻止。社会人王者に返り咲いたが、ライスボウルは社会人が勝って当たり前のプレッシャーもあった。

関学大に先制を許し、前半終了間際には反撃の独走TDを許した。リズムに乗れずに2点リードでの折り返し。大橋HCは「1プレーに集中しよう」と選手に呼びかけた。「Xリーグ王者として勝つことは使命。心底ホッとしている」と安堵(あんど)した。

JXBでMVPのエースRB李は、年末にNFLの「海外選手パスウエー・プログラム」での練習生候補に日本から初選出された。33ヤード止まりでTDもなかったが「初の日本一は素直にうれしい。名実とも日本を代表して、日本を変える新たなスタートにチャレンジできる」と胸を張った。【河合香】