全日本バレーボール高校選手権(春高バレー)が今日5日、東京体育館で開幕する。2年ぶり出場の米沢中央(山形)は明日6日、都城商(宮崎)と高知の勝者と対戦する。攻守の大黒柱を担う佐藤吉野(3年)は自身2度目の春高出場で、過去最高の16強を超える日本一に闘志を燃やしている。

最高到達点295センチを誇る身長183センチの佐藤は、昨年9月にU-18日本代表の背番号1を背負ってU-18(ユース)世界選手権に出場。高さのあるブロックやアタックなどで活躍した。恵まれた身長を生かしたプレーが注目される一方で、得意なプレーをレシーブと答える。石田和也監督(48)は「長身選手はレシーブが苦手な選手が多い中、彼女はレシーブもこなせる。レシーブの安定感も1年生の時から成長が見られる」と、後衛でも堅守でチームを支えてきた。

コロナ禍で公式戦中止が相次ぎ、春高が本年度の最初で最後の全国舞台。経験豊富の佐藤は「相手はどんな強さかは分からないですけど、自分たちができることを出し切って、勝ちきる気持ちが大切になる」と語る。「強いメンタルで、ブロックを打ち抜いたり、コースを思い切ってレシーバーを飛ばすくらいの勢いがあるスパイクを打ちたい」。卒業後はVリーグに所属する実業団チームへの入団が内定。頼れるエースを軸に、まずは15年以来の16強入りを果たし、特別な1年に新たな歴史を刻んでみせる。【相沢孔志】

◆佐藤吉野(さとう・よしの)2002年(平14)6月30日生まれ、山形・庄内町出身。余目一小3年時に、あさあけスポーツ少年団でバレーボールを始める。余目中3年時に全国中学選抜の一員としてオランダ遠征を経験。ポジションはアウトサイドヒッター。183センチ。家族は母、兄、姉。趣味はストレッチ。