完全隔離から外に出た錦織が、最初に驚いたことは！　多くの人がマスクなしで過ごしている生活だった。2日に開幕する男子テニスの国別対抗戦ATPカップの日本代表会見が1日にあり、2週間の完全隔離を強いられた日本のエースの錦織圭は「意外にも（ボールの感覚は）失っていない」と、順調な回復ぶりのようだ。

当初の予定では、1日2時間の練習を含む5時間の外出が許可されるはずだった。それが、オーストラリア入りするチャーター便に陽性者が同乗したことで、濃厚接触者となり、部屋から1歩も出られない完全隔離となった。

オーストラリアに入る前は「カリフォルニアで、マイケル（・チャン・コーチ）と練習して、すごくいい感覚をつかみ始めていた」だけに、「最初はショックがでかかった。全豪は難しくなるという怖さもあった」という。

2週目は「風もなく、太陽にも数時間しか当たれないので、メンタル的にめいった」。やっと外に出られて驚いたのが「マスクなしで皆が歩いていた。もちろん、コロナにかかっているケースが少ないので問題ない。アメリカも日本も全員マスクしているので。それが不思議な感覚でした」。

オーストラリアは、現在、居住者の新規感染者はゼロで、合計の感染者数も約2万9000人と、見事なまでに封じ込めに成功している。昨年3月から、外国人の入国は原則禁止で、厳しいロックダウンも数度、経験している。その中で勝ち取ったマスクなしの安全だ。

錦織は、現在、1日3～4時間、練習やトレーニングの時間を確保できているという。しかし、隔離で体がなまっていたのは否めなく「最初の練習後は、筋肉痛が翌日にめちゃくちゃ出た」。

日本は3日にロシアと戦う。錦織の相手は、世界4位のメドベージェフだ。対戦成績は2勝2敗の五分だが、錦織がけがで休んでいる間に、力は逆転している。また、日本NO・2の西岡良仁は同8位のルブレフとの対戦だ。

◆全豪オープンテニスは、2月8～21日、WOWOWライブで連日生中継。WOWOWオンデマンドでも同時配信予定。