大坂が今季、最高のスタートを切った。全豪前哨戦に第2シードで出場した世界3位の大坂なおみ(23=日清食品)は今季初戦となる2回戦で、同53位のコルネ(フランス)に1度も自分のサービスゲームを落とさず、6-2、6-2で快勝した。3回戦は同371位のボールター(英国)と対戦する。対戦成績は大坂の2勝0敗。

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昨年の9月の全米。人種差別を抗議する黒いマスクと、3度目の4大大会優勝から約4カ月を経て、大坂がコートに戻ってきた。今季の初戦は、いきなり気合のストレート勝ち。「久しぶりの試合でとてもナーバスだったけど、最高の気分」と、1度も自分のサービスゲームを落とさなかった。

第1セットの第1ゲーム。1球目の構えに入り、まだ球を打っていない時から、左手でガッツポーズを連発した。「戻ってきてとても興奮している。でも、1日、1試合に集中していきたい」。気迫がみなぎった。

昨年の人種差別への行動で、一気にスポーツ界の象徴的な存在となった。「昨年は多くのことを考えたし経験した」。そして出した答えが「シャイなのは止める」ことだった。「悩んだけど、自分で答えを出した」ことで、世界に向けて、次々と発信した。

テニスも大きく変わった。特に、サーブの種類の豊富さだ。球種に加え、コースも多様になり、その組み合わせで相手を惑わすことが可能になる。「まだ練習過程」と言うが、以前のパワー一辺倒のサーブには完全におさらばだ。

昨年8月の全米前哨戦から、勝敗に数えない棄権負けがあるが、この日の勝利でツアー12連勝となる。18年全米、19年全豪で見せた4大大会2大会連続優勝。その再現に、ひと回り大きく成長した大坂が1歩を踏み出した。

◆大坂の今後 8日開幕の全豪オープンに出場した後は、3月23日からのマイアミオープンに出場予定。その後は未定だ。テニスの世界ツアーは、暫定的な大会日程が発表されてはいるが、新型コロナウイルスの状況によって、どのようになるか不明。マイアミ後、同ツアーは欧州が主戦場となる予定だ。

◆全豪オープンテニスは、2月8~21日、WOWOWライブで連日生中継。WOWOWオンデマンドでも同時配信予定。