高梨沙羅(24=クラレ)が2連勝で、男女歴代最多勝利数を59に伸ばした。

1回目、向かい風の好条件で89メートルを飛びトップに立つと、2回目は最長不倒となるヒルサイズ越えの92・5メートル。逆転を許さず合計234・1点で貫禄勝ちした。表彰台は104度目。ヒンツェンバッハでの優勝は14年2月の初勝利から通算8度目で、蔵王の7度を抜いてW杯では最も優勝したジャンプ台となった。

紆余(うよ)曲折の3日間だった。5日は1回目トップもスーツの規定違反で失格。一夜明けた前日6日には、気を取り直して今季初優勝を果たした。この日も予選から首位通過し、安定した好ジャンプで3連戦ラストを締めくくった。今月末開幕のビッグゲーム、世界選手権(ドイツ)へ向けて調子は上向きだ。

17-18年シーズン以来のシーズン2勝を挙げ、個人総合は426点で3位をキープ。着実にポイントを積み上げ、今季3勝で首位の19歳マリタ・クラマー(オーストリア)には34点差まで迫っている。今季はそのクラマーをはじめ自身より若い世代が躍進している。個人総合女王だったころの強さを取り戻しつつある高梨は、まだまだ10代のクラマーら、若手に負けるつもりはない。