<テニス:全豪オープン>◇18日◇メルボルン◇女子シングルス準決勝

世界3位の大坂なおみ(23=日清食品)が2年ぶり2度目の優勝に王手をかけた。18年全米決勝の再現で、4大大会23度の優勝を誇る“生きる伝説”、同11位のセリーナ・ウィリアムズ(米国)に6-3、6-4のストレート勝ち。今大会後に発表される最新世界ランキングで2位復帰も確定した。20日に予定されている決勝では同24位のブレイディ(米国)と対戦する。対戦成績は大坂の2勝1敗。  

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今大会の大坂を見ていて強く感じるのは、第2サーブとフットワークの向上だ。これまでのパワフルな第1サーブに加え、スピンの利いた高精度の第2サーブを身につけている。動きもスムーズだ。ステップが以前より大きくなり、コートを速く、広くカバーできるようになった。

第2セット第8ゲームを3つのダブルフォールトなどで失った。取れば5-3と勝利に近づく局面で積極的に攻めた結果。どのサーブもジャストアウトでギリギリのコースを狙ったものだ。4-4とされたが次のゲームをラブゲームでブレーク。余裕を持ったラリーでセリーナを左右に振り回し、バックのウイナーを3本決めた。そして第10ゲームでは第1サーブをすべて決め、連続ラブゲームでフィニッシュした。

第1セットの第1サーブの確率は36%、試合を通じても45%だった。しかし、第1サーブのポイント確率は85%。セリーナのリターンを警戒し、第1サーブで大胆に攻めた証明だ。それを支えたのが2つの新たな武器だった。18年の全米決勝よりも2人の差は明確になった。最後の3ゲームがその象徴で、セリーナには衝撃の敗戦だったに違いない。

(亜大教授、テニス部総監督)

◆大坂の第2サーブ 準決勝の得点率は48%。前回、4大大会でセリーナと対戦した18年全米決勝では40%だったので、8%の上昇だ。今大会を通じて決勝までの6試合で平均53%の得点率。19年全豪で優勝した時、6試合の平均は50%なので、3%ほど得点率が上がっている。第2サーブで半分以上、得点につなげることができれば、女子では合格点だ。