昨季限りで現役引退したバスケットボール界のレジェンド、Bリーグ1部レバンガ北海道の折茂武彦社長(50)が18日、6月6日の引退試合に向けたトレーニングを開始した。札幌市内の体育館でレバンガカラーの黒と黄緑色の新シューズを履き約40分、汗を流した。「正月とシーズン初めの練習は新しい靴を履くようにしている。めちゃめちゃきつかったが、ここから筋力、体力を戻して、しっかりしたプレーを見せられるようにしたい」と意気込んだ。

引退後は社長業に専念。ハーフタイムイベントなどでシュートを披露することはあるが、本格的に体を動かすのは昨年3月15日の川崎戦以来約11カ月ぶり。当初1時間程度を予定していたが、疲労を考慮し時間を短縮した。シャトルランをしながら、5カ所から各10本シュートを決めないと終われないメニューで、最初は12本で10本成功。2回目は15本とミスが増えたが、4ラウンド目は11本で10本のシュートを成功させ、シューターとしての感覚を徐々に研ぎ澄ませていった。

「シュート感覚はやっていけば戻せる。さすがに11カ月やっていないので足にきた。2週間ぐらいはこれぐらいのメニューで、3月以降は強度を上げていきたい」。現在の体重は、現役時代から6~7キロ増え79・65キロに。「運動をしていないから単純に脂肪がついたということ。まず76か78キロぐらいにはしたい」。今後は週2回ペースで練習して絞っていく。

コロナ禍で厳しい状況が続く。自身も昨年10月に感染。回復後、医師の診断を受け、現役時代から患っていた肺疾患「間質性肺病変」に関しても「異常もみつからず、進行もしていなかった」と引退試合開催に支障がないことを、説明した。

ラストシーズンはホームゲーム9試合が中止。昨年3月15日のアウェー川崎戦が最後のプレーだった。何としてもホームのファンの前で感謝の思いを伝えたい。引退試合はコロナ禍で1年延期となったが「自分のプレーをお見せする最後のチャンス。バスケットボール人生の区切りとしたい」。残り4カ月。もう1度、アスリートとしての闘志に火を付け、最高の「折茂武彦」を披露する。【永野高輔】