東京五輪の卓球女子代表の伊藤美誠(20=スターツ)が24日、今季初となる国際大会「ワールドテーブルテニス(WTT)中東シリーズ・ドーハ大会」など2大会に向け、カタールに向けて出国した。出発を前に報道各社のオンライン取材に応じた。

新型コロナウイルスが世界的に終息せず、東京五輪の開催可否にさまざまな意見が出ていることに「選手は必死に頑張っているので、やっぱり簡単には(中止などの)物事を言ってもらいたくないというのが正直、選手からすると思う」と本音を吐露した。

その上で「やっぱり(開催へ向け)やれることはしっかりやってもらいたいと思うし、私自身もやれることをしっかりやって試合に臨んでいるので。そういう努力を選手だけではなく、周りの方も、選手が思う存分(力を)出せる場所をつくってもらいたいとすごく思う」と、これまでになく、明快に開催への希望を口にした。

今季からは「国際卓球連盟(ITTF)ワールドツアー」という名称から「WTT」に大会名を変え、大会方式も変更された。伊藤自身、大会様式の変更点についてITTFへ質問を投げかけるも「私も分からない部分がすごくあって。これどうなの、あれどうなのって聞くけど結局分かりません」と、不明瞭な部分を残したまま、大会に臨む難しさを語った。

新型コロナ感染防止対策としての隔離期間は今回は2日間。PCR検査も3日に1回と決められた。昨年11月の中国での国際大会ではその基準が決まってなかったといい、その点は安心したという。ただ唾液検査ではなく鼻からの検査だといい「そこだけきついですね」と苦笑いした。

今回の遠征では東京五輪で金メダルの期待が高い、水谷隼(31=木下グループ)との混合ダブルスにも出場する。「やっぱりなかなか2人で練習はできないけど、練習しなくても良い感じ。絶好調なので、すごく楽しみです」と伊藤。ともに地元が静岡・磐田というコンビは、ダブルスの練習が十分に取れなくても、相性は抜群だ。【三須一紀】