男子で48歳の葛西紀明(土屋ホーム)が約1年1カ月ぶりに3位タイの入賞を果たした。「めっちゃうれしい。ここ数試合ずっと我慢してきてようやく運が少しずつ良くなって巡ってきた」。昨年2月11日雪印メグミルク杯で3位になって以来386日ぶりの表彰に笑みがはじけた。

1回目は94メートルで12位発進だったが、2回目はヒルサイズに迫る98メートルの大ジャンプ。後続が悪条件のために距離を伸ばせず、待機していた車の中で「誰の距離も聞いていなかった。車から降りたら『はい、優勝』と言われるかなとイメージしてましたが」。物語通りにはいかなかったが「2本目は良い条件恵まれていたけど、ビデオで見たらまだ(踏み切りの)タイミングは遅れていた。完璧ではなかった」と話した。

表彰式では「俺は乗り慣れている。上から見る景色を味わわせてあげたい」と同じ3位につけた駒場信哉(東京美装)に表彰台を譲った。今季はW杯遠征メンバーを外れ、開催中の世界選手権も出場できなかった。それでも先月11日雪印メグミルク杯、同13日TVh杯でも5位と調子は上向いてきた。葛西は「波に乗って次は優勝を狙いたい」と力を込めた。【浅水友輝】