日本のエースで、世界41位の錦織圭(31=日清食品)が、昨年9月に復帰して以来、初めて1大会3勝を挙げて8強入りした。

初対戦で同59位のベデネ(スロベニア)に6-4、6-4でストレート勝ち。1度も自分のサービスゲームを落とすことなく、今季2度目のベスト8に進出した。準々決勝では81位のハリス(南アフリカ)と対戦する。

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3度目のマッチポイントで、ようやくバックが決まると、疲れた表情で、錦織は天を仰いだ。1度も自分のサービスゲームを落とさなかったが、第2セットは苦戦の嵐。その反省が、勝利にも「タフな試合だった。ストレートで勝てて良かった」と言わせた。

第1セットは、自ら「完璧に近い」と言うほど、サーブがさえた。相手のリターンのミスも加わり、自分のサーブでポイントを落としたのは何と1点だけ。第1ゲームで相手のサービスゲームを破ると、後は流れで押し切った。

1大会で3勝を挙げたのは、19年7月のウィンブルドンで8強に進出して以来。「(復帰して)3回勝っているだけでも、かなり大きな進歩」。すでに「トップ10とも戦える自信はある」と、完調に近い手応えも感じ始めている。いよいよ日本のエースが、完全復活ののろしを上げた。