92年バルセロナオリンピック(五輪)柔道男子95キロ超級銀メダルの小川直也氏(52)が、24日に死去した同五輪男子71キロ級金メダルの古賀稔彦さんの次男、玄暉(げんき、22=日体大)に激励の言葉を送った。

25日、川崎市内にある古賀さんの自宅を弔問。小川氏は、9日後に迫る全日本選抜体重別選手権(4月3、4日、福岡国際センター)に男子60キロ級で出場する玄暉にこう言った。

「大変なモチベーションで気持ちも複雑だと思うけど、オヤジも(欠場などは)望んでないことだから、それは度外視して、次男にはぜひとも頑張れよって。何度も『がんばれよ』と声をかけた。小さい頃から見てるけど、随分大きくなったなと思ったよ」

4月から実業団の強豪旭化成に入社する玄暉は、1回戦を勝ち上がると、次の準決勝で18、19年世界選手権銅メダルで東京五輪代表補欠の永山竜樹(24=了徳寺大職)と対戦する。

小川氏は90年全日本選手権決勝で、同学年で体重差54キロの古賀さんと対戦。7分超の熱戦を繰り広げ、古賀さんは準優勝に終わったが、その激闘は今も伝説として語り継がれている。両者ともに現役引退後は、小川氏が「小川道場」、古賀さんが「古賀塾」を創設。神奈川県大会などでも顔を合わせ、「稔彦」「直也」と呼び合う間柄だったが、指導者になってもライバル関係は続いていた。

小川氏は、道場中央で柔道着をまとって眠っている“戦友”に、「向こうの世界でも後で肌をぶつけような…」などと声をかけたという。