女子の浪岡が、準決勝で東奥学園を3-2で下し、1971年(昭46)優勝以来の決勝進出を決めた。一時は0-2でリードされる絶体絶命の状況だったが、山名このみ(2年)が神崎美結(2年)とのペアでダブルスを勝利すると、2-2で迎えたシングルスでも競り勝ち、大逆転に大きく貢献した。別ブロックでは3月の全国高校選抜で団体3位の青森山田が決勝に駒を進め、大会21連覇に王手をかけた。

浪岡が試合時間2時間を超える死闘を制し、“絶対女王”への挑戦権を勝ち取った。1日で4試合をこなすハードスケジュール。疲労が蓄積する中、山名が大逆転勝利を呼び込んだ。同時刻に3試合が並行して始まり、いきなり2連敗で大ピンチに。神崎とダブルスに出場していた山名は「ここを集中して1本ずつ取って、次につなげるという話をした」と、2人の気持ちを1つにして粘り勝ち。反撃ムードを作った。

その後、神崎がシングルスで勝利し、2-2の同点に。決勝進出を決める大一番で山名は「全部出し切って明日の決勝に残る」と自分を奮い立たせ、シャトルに集中。第1ゲーム(G)序盤からリードを作り、4連続得点で一気に差を広げて同Gを先取。続く第2Gは試合中に「負けない。勝つ。集中する。1本ずつと話して、自分を落ち着かせていた」と高ぶる気持ちをコントロール。得点を奪う度にガッツポーズを見せ、最後は「しゃぁ!」と声を出しながら拳を作った。

同校は女子の部員不足が長く続き、団体戦は久しく出場できなかったが、昨年の県新人では4強入りし、快進撃を見せた。決勝は県新人で敗れた青森山田との対戦。チームの目標は東北ベスト4だが、弘前市で予定されていた東北選手権はコロナ禍で中止に。実現するには、優勝校に与えられる全国総体出場権を勝ち取るしか道はない。奈良岡浩監督(51)は「向こうは王者なので、持っているものを精いっぱいぶつけてほしい。最後にやって楽しかったなと思えるようなプレーをしてもらえれば」と心を1つに結集して、白星をつかむ。【相沢孔志】