東京五輪スポーツクライミング男子4位の楢崎智亜(25=TEAM au)が21日、オンラインでのクライミング教室に参加し、24年パリ五輪に向けてボルダリングとリードの複合一本に絞る考えを示した。

東京五輪ではスピード、ボルダリング、リードの複合が採用されたが、パリ五輪ではボルダリングとリードの複合とスピードの2種目が実施される。初の大舞台で金メダル最有力候補として臨んだ25歳は、3年後を見据えて「世界のスピードが進化する中で、2種目出場はできるかもしれないが中途半端が怖い。次は確実に金メダルが取れるように複合に絞る可能性が高い」と現状を説明。大会に出場しながらチームと協議して方向性を定めるという。

夢舞台から2週間が経過した。閉会式翌日の9日からトレーニングを再開させたが、1週間程度は現実を受け止められなかった。起床後に「夢?」という感じで「気持ちがふわふわしていた」と振り返った。その後は、日々壁と向き合う中で前向きな気持ちになり、3年後の五輪に向けて本格始動。現在も東京五輪で引退した野口啓代さんの実家の施設を拠点として、鍛錬を重ねている。

次戦は9月の世界選手権(ロシア)に出場する。楢崎は「積み上げてきたものを再確認して最高の状態に仕上げたい」と再起を誓った。