今年10月開催の体操世界選手権(福岡県北九州市)日本代表に選ばれた芦川うらら(18=静岡新聞SBS、水鳥体操館、富士市出身)がこのほど、日刊スポーツ新聞社の電話取材に応じた。女子平均台で初出場し、6位入賞を果たした東京オリンピック(五輪)を総括。オリンピアンとして、再び世界に挑む意気込みも語った。【取材・構成=前田和哉】

-初出場した東京五輪を振り返ってください

芦川 どの試合よりも緊張感がすごかった分、どの試合よりも楽しかったです。東京五輪の舞台に立てたことだけでもうれしかったけど、いつも通りの演技ができていたらメダルも狙えていたのかな? という悔しい気持ちも少しあります。

-決勝は演技の約2時間前に出場が決まりました(予選4位のルーマニア選手が棄権。補欠1番手から繰り上げ)

芦川 予選前の1週間と同じように毎日演技の通し練習をして、いつでも出場できる準備はしていました。ただ、普通に予選を通過していたら、決勝までの1週間は「メダルを狙う」という気持ちだったと思う。「どうなのかな? 出場できるのかな?」というもどかしい気持ちが先行してしまいました。この気持ちの差が大きかった。

-決勝では13・733点を記録し、6位入賞を果たしました。演技の内容はいかがでしたか

芦川 交差輪跳びで足を外してしまい、最低でも0・3点は減点されている。この点数を足せば、3位の得点(14・000=シモーン・バイルス、米国)だった。やっぱり決勝となると、他の選手も含めてミスが出る。自分の演技を出し切った選手がメダルに届くということを実感しました。

-コーチ陣とともに目指してきた「流れるような演技」はできていました

芦川 他の選手を見ても、そこは誰にも負けていなかったと思います。演技中はふらつきもあった中で、Eスコア(出来栄え点)で7・833点を取れたのは自分でもびっくりしました。演技のきれいさや停止時間がないという部分を評価してもらえたのかなと思います。

-決勝から2日後の今月5日には、早くも練習を再開。今後は9月の全日本シニアを経て、世界選手権への出場を予定しています

芦川 五輪で、いつも通りの演技ができればメダルを取れたということも分かって、世界選手権でメダルを取りたいという気持ちが芽生えました。でもメダルを目標にするのではなく、まずは自分の演技をすることが目標。その後にメダルがついてくると思います。五輪に出場したとなると、周りの見方も今までとは違ってくる。その名に恥じないような演技をできるようにしていきたいです。