東京オリンピック(五輪)バレーボール女子日本代表主将の荒木絵里香(37)が22日、所属するVリーグ女子1部のトヨタ車体を通じて現役引退を発表した。荒木は「11歳から競技を始めて26年間、バレーボールがうまくなりたい一心でここまで続けてきました。これまで心が震えるような瞬間を何度も経験し、バレーボール選手を味わい尽くすことができたと感じています」とコメントし、今後もチームのさまざまな業務に携わる考えを明かした。

ミドルブロッカーの荒木は186センチの恵まれた体格を生かして、攻守の両面で長年日本女子バレー界で欠かせない存在だった。成徳学園(現・下北沢成徳)時代に大山加奈さん(37)らと春高、インターハイ、国体優勝の高校3冠を達成した。

卒業後に東レ-ベルガモ(イタリアセリエA)-東レ-上尾メディックス(現・埼玉上尾メディックス)-トヨタ車体と渡り歩き、五輪4大会出場(08年北京、12年ロンドン、16年リオデジャネイロ、21年東京)を経験。「たくさんの仲間と共に目標に向かって走り続け、喜びや悔しさを共有した時間は素晴らしく、かけがえのない時間で、私にとって大きな財産です」と胸を張った。

13年に東レを退団し、翌年に長女を出産。結婚、出産を経験した女性アスリートの多くが現役を退く例が多い中で、その後現役復帰した。夫で元ラグビー日本代表の四宮洋平さんや母の後押しも受けながら、再びトッププレーヤーに上り詰めた。

荒木は「結婚出産後も継続できた経験を、今後はバレーボール、スポーツ界に限らず、女性の社会参画においても伝えていけたらと考えています。そしてこれまでの経験を糧に、これからも謙虚に貪欲にチャレンジし続けていきます」と今後の抱負も語った。

さらに日頃支えてくれた周囲の存在に感謝し、「どんな時も一番近くでサポートしてくれた家族、特に娘には寂しい思いをさせてしまうこともありましたが、健やかに成長してくれていることに心から感謝したいです。本当にありがとうございました」と話した。