ウルトラな完勝劇だ。東地区の秋田ノーザンハピネッツが、茨城ロボッツを83-57で下し、2年連続で開幕2連勝。秋田・仙北市出身で千葉から4季ぶりに復帰した田口成浩(31)が、この日放った2点シュート3本、3点シュート(3P)2本をすべて成功させ、12得点を飾った。前日2日に秋田の選手として1231日ぶりに帰還。今試合ではMVPに選出され、ヒーローインタビューではお決まりの掛け声「おいさー」で、ブースターを沸かせた。

ウルトラマンは地球上で3分しか戦えないが、秋田の“隊員”に3分も必要なかった。第1クオーター(Q)開始2分43秒で一気の12得点。出ばなをくじかれ9点を追う茨城は、タイムアウトを取らざるを得なかった。田口は同Q残り8分43秒でレイアップ、その19秒後に3Pを沈め、押せ押せムードを演出。「(チームが)出だしからプレッシャーをかけて走れたのがよかった」。今季スローガンは「究極、最上級の」意味を持つ言葉に過去最強への思いを込め「ウルトラアキタ」。それを体現するように序盤から襲いかかった。

第2Qでは激しいディフェンスが機能して8失点に抑えながら20得点、第3Qも22得点を挙げた。しかし、第4Qは13得点と失速した。「4Qの最後にチームでプレーできなかったのがまだまだ。最後まで自分たちのバスケットをやることを心掛けないといけない」と反省点を口にした。

田口はフィールドゴール成功率100%でMVPに輝いた。「持ち味の3Pの確率は常にこういった100%は難しいと思いますけど、半分の50%を超えられるように意識しています」。開幕戦は力んだ部分もあったといい「今日は落ち着きながらできましたし、あの空間でバスケットをできる幸せを2日間感じました」と力を込めた。

お祭り男として会場を盛り上げた。試合後はマイクに向かって「1、2、3! おいさーーー!」と地元である仙北市角館の祭りの掛け声を叫んだ。「実家みたいな感じです」というホームで2連勝に貢献。シューターとして、持ち前の明るさで、秋田の快進撃を支える。【山田愛斗】