オリンピック(五輪)個人総合2連覇の内村航平(32=ジョイカル)が種目別の鉄棒で14・300点をマークした。冒頭のH難度「ブレトシュナイダー」から3連続の離れ技を決めると、最後の後方伸身2回宙返り2回ひねりの着地までまとめきった。

生まれ故郷の福岡県北九州市で開催される世界選手権。4度目の五輪となった夏の東京では鉄棒で予選落ちに終わり、再び臨む世界大会だった。五輪で味わった失意に、体の痛みも増したが、「そういったことも僕の人生においては必要だったんじゃないか。ここで乗り越えてこそ、次への道が開ける」の一心で調整を続けてきた。

現在も好調とは言い難いが、かける思いは強い。この日は東京五輪で落下したひねり技を抜いての構成だった。「いまできる演技をやりきる。生まれ故郷でやれるのは、感謝しかない。まして有観客なので、そこも感謝して、応援してくれるみなさんに感謝の気持ちを込めて演技をしたい」。その思いでまずは予選を終えた。