日本女子初の4回転トーループ成功者、島田麻央(12=木下アカデミー)がまた決めた。冒頭に組み込んだ4回転トーループを、余裕を持って着氷。シニアを含めても日本女子で唯一、この大技を跳べる小学6年生が2試合連続で通算3度目の成功を果たし、大会史上最高の120・03点をマークして2連覇した。

母の歩さんが浅田真央さんに憧れて命名された26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪(オリンピック)のスター候補。その浅田さん以来(02、03年)となるA2連覇でフィギュア界に名を刻み「憧れの存在が浅田真央さんなので、同じところに立てたのはうれしいなと思います」と笑顔を見せた。10歳の時に制したBクラス時代から数えるとノービス選手権3連覇の快挙となった。

この日の4回転トーループは出来栄え点(GOE)2・66を引き出す上質さ。その後も3回転ルッツ-3回転トーループの2連続やダブルアクセル(2回転半)からの3連続など計6回のジャンプを全て決めた。スピン3種もオール最高評価のレベル4。ステップだけ同3だったものの、ほぼノーミスの演技で昨年大会の自身の108・42点を大幅に更新。近畿選手権に続き、驚異の120点台にスコアをのせた。

4回転トーループの成功は3月の京都府選手権、今月上旬の近畿選手権に続いて3度目。直前の練習では失敗していたが、本番までに修正し、試合後は「4回転が降りられて良かったです。2試合連続も自信になります。スピンの回転数も気をつけることができましたし、フリップもエッジエラーにならなくて良かったです。心の中ではガッツポーズしていました」と会心の演技を振り返った。

4回転ジャンプを危なげなく決めたことには「何回も降りていくにつれて、感覚とか分かってきて。最初に跳べた時よりも力を入れずに跳べるようになりました」と成長を実感し、スコアの120点オーバーに関しては「シニアとかジュニアとか世界で戦うには120点ではかなわない。全部を良くして、もっと出していきたい。今後は4回転2本にも挑戦したいですし、いつか4回転が何本も跳べる選手になりたいと思います」と、はにかんだ。

次は全日本ジュニア選手権(11月19~21日、名古屋市)へ。昨年、ノービスでは安藤美姫以来20年ぶりとなる飛び級で3位と輝いた舞台だ。既にシード権を得ており「上手な選手たちと戦えるので、もっと表現力を磨いて、大きなお姉さんたちと戦えるようにしたいです。去年はいい成績を出させてもらったので、さらに上に行かないといけないプレッシャーもあります」と、さらなる上位進出をうかがっていく。【木下淳】