全国大学選手権の連続出場が「13」で途切れた流通経大が、5位で全日程を終えた。

3勝4敗の勝ち点12。試合前時点で上位3チームの同選手権進出の可能性は消えていたが、記者会見で内山達二監督(51)は「いい負けっぷりをした。最後まで諦めず、80分間やり抜いたのはうちらしいゲームだった」と男泣きした。

過去に経験のない、苦しい1年だった。新型コロナウイルスのクラスターとなり、7月まで活動を休止。75日間にわたり、立ち止まる時間が生まれた。

「シーズンを通して学生たちが成長していった中で、結果を出せなかった責任を感じます。4年生は普通だったら『(心が)折れるんじゃないかな?』という中でも、決して下を向かずに頑張ってくれた」

この日の試合も同じだった。4連覇が懸かる東海大のモール攻撃に苦戦。序盤から劣勢を強いられた。後半41分で7-71。それでもロスタイム5分で攻めた。42分には途中出場の星野竜輝(3年)がトライ。48分にはWTB永山大地(3年=ともに流通経大柏)もトライで続いた。その姿が内山監督の心を揺さぶった。

持ち味の「ダイナミックラグビー」はボール争奪戦で圧力を受け、思う存分に披露できなかった。日々の蓄積で育む「強さ」という土台が、今季は揺らいだ。隔離期間中はオンラインミーティングにとどまり、チーム作りも遅れた。それでもフッカー西山大樹主将(4年=流通経大柏)は、胸を張って言い切った。

「要所要所では、やりたいダイナミックなラグビーが見せられたんじゃないかなと思う。そこを後輩たちが受け継いで、来シーズン頑張ってほしいです」

大切にしたい思いは、ピッチに立つチームの代表が背中で示した。【松本航】