27日、大阪・花園で開幕した全国高校ラグビーへ、全国最多15回の優勝を誇る秋田工が挑む。

前年は大阪朝鮮に敗れ3回戦敗退。同校の8強は13年、優勝は87年から遠のいているが、柴田竜成主将(3年)を中心に8強を越え、栄冠へと返り咲く。初戦は28日、松山聖陵(愛媛)と対戦する。

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古豪復活へ! 秋田の雄が全国最多69度目の花園の舞台で花開く。

今年2月の東北大会は仙台育英を下し、2年ぶりに東北を制覇。全国高校選抜は1回戦で天理に敗れたが、後半ロスタイムに2本のトライを決める粘り強さを見せた。柴田主将は「チームとしては1対1の強さ、それに対してのサポート、ブレークダウン(ボールの奪い合い)にこだわってきました」と語る通り、着実に力をつけてきた。

県大会決勝は秋田中央を48-0と圧倒。柴田は「自分たちのやりたいことができてノーペナルティー。60分間通して全部自分たちのペースでした」とチームの成長を実感した。コミュニケーションミスやゲームコントロールの甘さなど修正点も見つかったが、「(チームの状態は)花園で100%になると思います」と力を込めた。

ラグビーは父と兄の影響で幼稚園から始め、兄の凌光(りょうと=4年)さんは現在、東海大でプレー。同じスクラムハーフ(SH)としてアドバイスを送りあう仲。大学レベルのアドバイスがゲームコントロールに生きている。自身2度目の花園へ、「1戦1戦勝って、まずはベスト8以上。そして優勝を狙っていきたい。相手に合わせて柔軟に対応し、勝たせられるようなゲームコントロールをしていきたい」と目標を掲げた。

3年ぶりに監督に復帰した伊東真吾監督(47)は柴田を逸材と評価する。「ゲームコントロール、パスやキック、1つ1つのスキルが高い。タックルもできる。彼がいるといないとでは大きく変わる」とチームの軸を信頼している。そして、3年生は自分が声をかけただけに、その分期待が大きい。「3年生は十分能力がある。1つのプレーに気持ちを込めてやる。パス、ぶつかる方向、サポート、どれも一生懸命、丁寧にやって1戦1戦きちんと自分たちのラグビーをやってほしい」と願いを込めた。

“ワンプレー入魂”で1戦1戦を勝ち抜き、栄光への道を切り開いていく。【濱本神威】