Bシード常翔学園(大阪第1)がノーシードの強豪・中部大春日丘(愛知)を“ダブルスコア”で破った。初戦突破で、秋田工、天理に続く大会史上3校目の通算100勝に王手をかけた。野上友一監督(63)は「ボールを思いっきり動かせた。強い相手なんで、余計にそこを意識してできました」と喜んだ。

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風の影響が強い第3グラウンドで、風上の前半はSO仲間航太(3年)のキックを多用し、エリアをマネジメント。風下の後半はキックを1度も使わず、自陣から球を動かした。FW、BK一体となり、ワイドに縦にキャリーした。前後半とも4トライずつの8トライ。SO仲間は1年から3年連続の花園だ。「第3グラウンドの難しさはわかってるんで」と胸を張った。

快勝は信頼関係のたまものだ。この日は大きく布陣を変更した。本来CTBの山本大悟主将(3年)をフランカー、NO8の田中太陽(3年)をフッカー、フッカーの大本峻士(3年)をロックに。野上監督は「まあ練習していく中で、適材適所いうことで」と理由を説明した。

山本の本格的なフランカーの練習は実に約10日前からだ。朝練中、野上監督に「どや?」と打診された。

山本は「夏に1、2回(フランカーに)入ったんですけど、僕も頑固にCTBをやりたくて。でも、足遅いし。“全員ラグビーやしなあ”と、最後は折れました」と笑った。

スクラムではフランカーに入るが、CTBにもなる。「スクラムもフロント5がめっちゃ強いんで“5人でやったる”いう感じ」と負担の軽い山本が普段通りにライン参加。「1人増えた感じ」と指揮官のいうBKが、アタックに厚みを作った。

元日の3回戦、石見智翠館とのシード校対決に勝てば、100勝だ。「王手? ははは。まあ、そこはあんまり考えず。とにかく楽しく」と野上監督。金字塔は目の前だ。

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