今季からWリーグに新規参入し、21年10月23日の開幕戦から84日。アランマーレ秋田がホーム東京羽田戦でWリーグ初勝利を収めた。17試合目でつかんだ「歴史的1勝」。選手の証言を踏まえ、小嶋裕二三ヘッドコーチ(HC、54)がここまでの18試合を振り返り、今日22、23日のシャンソン化粧品戦を含めた残り6試合に向けて気持ちを引き締めた。(敬称略)

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アランマーレはリーグ戦の4分の3となる18試合を1勝17敗で終えた。小嶋HCが期待を込めてチームの現状を説明した。

-スローガンは「Challenge!」。目標が「攻め続ける」。現時点の達成度は

小嶋 まだまだですね。ディフェンスもオフェンスも30%に到達しているかいないかくらい。客観的に見て対戦相手との実力差がありますが、その点を踏まえたとしても、50%はできたと思います。

-大卒1年目嘉陽梨佳子(23)は、日本代表クラスや高さのある選手とぶつかり貴重な経験を得た

小嶋 (嘉陽は)良いものは持っています。ただ、まだ経験、スキル不足。ボールを持った時にアタックのスキルが足りないのでボールを長く持ってしまう。守られた時に相手をよく見てしまうとアタックしづらい。本当に良い経験はしているのですが、今後はもっとスキルを増やしてほしいと思います。

-8日の山梨戦で180センチのコナテ・カディジャ(23)が初出場した

小嶋 (復帰は)大きいと思います。高さの部分が少しは補えるようになりましたから。ただ、コンディション全体に問題があります。素早い動きに対応できない部分もあるのでまだまだ調整段階です。

-190センチのクンバが合流。期待したいことは

小嶋 一番はリバウンド。走れる選手なのでオールコートの速攻もですが、ハーフコートでもリングに向かって走ってほしい。今まではドンピシャのパスを投げないといけなかったですが、大きいので高い位置でもボールを受けられる。走るプレーで得点にもからんでほしいです。

-リーグ戦は2月で終了。その後はどういった新生アランマーレを見せたい

小嶋 我々はチャレンジャーであり、経験を積みながら1試合ずつ成長しなければいけない。そういう意味では本年度は完成形ではありません。最終的な完成形は2、3年後。今年はどれだけ上昇曲線を登れるかだと思います。(Wリーグは)地域リーグで取れた点数が取れず、地域リーグで防げたディフェンスでは守れません。どこまで頑張らなければいけないのかを選手たちは経験してくれたので、もう少し学習して上昇曲線を上がっていきたいと思います。

◆小嶋裕二三(こじま・ひろふみ)1967年(昭42)7月23日生まれ、横浜市出身。中和田南小-泉が丘中-松陽高-青学大。91年にNECコーチで指導者に。98~00年は女子日本代表アシスタントコーチ。98年アジア大会金メダル獲得に貢献。99~00年は鷺宮製作所コーチ。00~08年は山形銀行ヘッドコーチ。06年に兵庫国体優勝。08年にデンソー・コーチ就任。10~18年まで同ヘッドコーチ。20年4月にアランマーレ秋田ヘッドコーチ就任。