B1新潟アルビレックスBBは29、30日、茨城とホームのアオーレ長岡で対戦する。28日は同所で今季初の完全非公開での練習を行った。現在26連敗中だが、SFコービー・パラス(24)に復調の兆しが見えている。前節のアウェー北海道戦(26日)で14得点と、15試合ぶりに2桁得点をマーク。スコアメークの感触を確かなものにして、連敗ストップの切り札になる。

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パラスは“任務遂行”をテーマに茨城戦に臨む。「平岡監督に求められたことを1試合やり遂げたい」。茨城は6勝23敗で東地区10位。26連敗中で2勝27敗の最下位11位の新潟にとっては負けられない相手。「茨城戦、アグレッシブにプレーする」と試合を通して持ち味発揮を誓う。

前節北海道戦でその感触をつかんだ。14得点は、15点を奪った昨年11月14日の千葉戦以来15試合ぶりの2桁得点。3本放った3点シュートはすべて成功し、鋭い出足から一気に加速するドライブでリングをとらえた。その前の信州戦(22、23日)は2試合とも無得点だっただけに「周囲とうまくプレーできた」と手応えがあった。

ただ、「仕事をやり切れたとは思わない」とまだ、絶好調ではない。序盤でファウルが重なり、出場時間は合計20分48秒にとどまった。相手守備に苦しみシュートを外すといら立ちを表情に出す場面もあった。「感情的にならず、チームにとっていいプレーヤーにならなければ」。茨城戦は冷静さを保つことで、より力を出そうと意識する。

平岡富士貴監督(47)は「攻撃は良くなっている」と復調を認めた。そして「攻撃は積極的に、守備はファイトすること」と仕事を課した。チームの黒星が続く中、パラス自身ももがき続けた。ようやく訪れた上向きの気配。「自分もうまくいくように頑張る。勝つことがいちばん大切」。フォア・ザ・チームを前面に、自らも浮上する。【斎藤慎一郎】

○…平岡監督にとって茨城は「古巣」。NBLに所属していた前身のつくばロボッツ時代の15-16年に監督を務めていた。ホームタウンのつくば市は故郷でもある。ただ「あまり古巣という意識はない」と私情ははさまない。この日は「選手をネガティブな気持ちにさせず、集中させるため」と初めて練習を完全非公開にした。前節北海道戦での107失点の反省から、練習前のミーティングは守備の注意点を中心に2時間をかけた。昨季は群馬を率いてB2で優勝。プレーオフで茨城に勝っている。今季は「本当に勝ちたい」という強い思いを古巣にぶつけて連敗を止めにいく。