ラグビー「リーグワン」のレッドハリケーンズ大阪(NTTドコモ)が、戦わずして1部から撤退することになった。

7日に東京・秩父宮で開催予定だった最終節・BR東京(リコー)戦が、開始2時間半前に突然の中止。1日の本拠地最終戦(静岡戦)も新型コロナウイルスの陽性者が出て開催できず、2戦連続中止で今季を終えた。NTT再編により来季は規模を縮小し、3部降格の方向。最後の勇姿を見せることなく1部から姿を消した。

ドタバタで中止が決まった舞台裏はこうだ。2日のPCR検査で大阪は13人の陽性者を出した。翌3日の再検査でうち7人が陰性となりリーグ側に確認して実施を判断。5日には1人を除く全員が陰性となったとしてメンバーを登録した。

しかし、試合前夜(6日)に事態が急変した。大阪の主張では午後8時ごろに「3日の再検査がリーグ内で伝達されてなく、判断ミスをしたと突然の通達」があったという。大阪側は「保健所から陰性と認められて試合を行える」と主張したが、7日午前にリーグの判断で中止を決定。リーグ側も「判断の合理性について両チームの合意形成がなされない状況になった」とした上で「状況によって新たな対応が必要となる中、適切な判断がかなわなかった」と暗に謝罪した。

ホーム最終戦も消えた大阪にとっては是が非でも「ラストマッチ」がしたい思惑があったはず。ただ、5日前とはいえ13人もの陽性者を出しているのも事実。前節の時点で降格圏内10位のBR東京にすれば、仮に感染拡大の影響を受ければ入れ替え戦に出場した際に支障が出る恐れがあった。

会場周辺には既にファンが集まっていた。突然の中止で招いた大混乱。最終決定をするリーグ側には、敏速な判断が必要だった。