昨夏の東京オリンピック(五輪)空手男子組手75キロ超級で銅メダルを獲得し、3月に現役引退を表明した荒賀龍太郎氏(31)が11日、オンラインで取材対応。4月1日付で母校の京産大監督に就任したことを明かし、「世界チャンピオンを輩出できるようなチーム作りをしていきたい」と新たな目標を掲げた。

京都外大西高時代から15年連続で日本代表メンバーとして活躍。09年全日本選手権では史上最年少となる19歳で優勝を果たすなど、長年にわたり空手界をけん引してきた。19年春に膝に大けがを負ったが、五輪に出場するためあえて手術を行わず戦い続けてきた。「空手界初の五輪を集大成と決めていた。目指していた金メダルではなかったが、当日は今までで一番と言えるほど満足できる試合で、組手で日本唯一のメダルを取れた」と振り返る。

大会後に数え切れないほど祝福やねぎらいの言葉をかけられたことで、「いままでやってきたことは間違いではなかったと、肩の荷が下りた」。現役を退くことを決意した。

今後は後進を育成しつつ、競技の普及活動にも力を入れていく。「空手を気軽に体験できるイベントなどをつくり、普及発展に貢献したい」。地元の京都府亀岡市で「『荒賀龍太郎杯』という大会を開催できれば」と夢を語る。

6月11、12日に開催される第1回全日本体重別選手権で、引退セレモニーが行われる予定。