ノルディックスキー・ジャンプのルール変更に現場は対応を急いでいる。20日、札幌・宮の森ジャンプ競技場で雪印メグミルクスキー部が練習を公開した。原田雅彦総監督(54)は「今季ルールがかなり変更された。今の時期は道具の調整に取り組んでいる」と話す。

選手のボディーサイズの計測方法が新しくなった。国際スキー連盟(FIS)はレーザー測定器の導入を正式に決めた。「今までアナログ式だったがデジタル式で身長を測り直す。スキー板の長さが変わる選手も出るでしょう。身長と座高から股下の長さを出すため、スーツのサイズが変わる選手も出るはず」と原田総監督。FIS公認大会で、その計測方法での登録サイズが採用される。より正確な計測を目指すことで、公平性を求める。2月の北京五輪混合団体では、日本の高梨沙羅(25=クラレ)含む女子5選手がスーツの規定違反による失格となり、波紋を呼んだ。ジャンプ界は変革を目指しているようだ。

道具では主にスキー板の形状に関するルールが追加された。先端部分が上向きであることが義務付けられた。着地の際に先端が地面に引っかかる可能性があり、安全性を求めたためだ。日本では、高梨や北京五輪代表の佐藤幸椰(27=雪印メグミルク)らが使用するスラットナー社の昨季までのスキー板が平らだった。原田総監督は「かなり影響する」と心配する。

佐藤幸は現時点で同社からルールに則した新たなスキー板が手元に届いておらず、まだジャンプ練習を開始していない。体づくりをメインに取り組んでおり、焦りはないが「ルールの変更がとにかく多く、渡欧しないとはっきりしたものがつかめない。ある程度ルールが定まったら、ジャンプを作り上げる。いち早く慣れてうまく道具に対応し、結果を残せるように」と見据えていた。