ライトウエルター級で六井和(新潟・開志学園3年)が優勝した。決勝は3月の全国選抜大会同級覇者の吉住将丈(宮崎・日章学園2年)に3-2で判定勝ちし、昨年の全国選抜大会以来、通算2つ目の高校タイトルを獲得した。

レフェリーに委ねた六井の右手が上げられた。「やることはやった」。判定勝ちのコールを受け、ほっとした表情をしながら利き手の左を握り締めた。

リーチのある吉住のストレートに苦しんだ。それでも焦って接近戦には持ち込まず、適度な距離を取ってタイミングをうかがう。2回終盤にはワンツーがヒット。接戦の中で手ごたえをつかんだ瞬間だった。

仁多見史隆監督(47)は「慌てなくなった。ミスをしても立て直せるようになった」と成長を感じた。新旧の全国選抜王者でサウスポー同士の対戦になった決勝。対策の効果があった。

全国選抜大会ウエルター級で優勝したサウスポーのチームメート、川村萌斗(2年)を相手にスパーリングを重ねてきた。それまでサウスポー相手にはなかなか当てられなかった得意の左ストレートが、ヒットするようになった。右のリードも力強さが増した。

昨年3月の全国選抜大会は2年生で優勝。今年は2連覇を期待されながら初戦敗退だった。昨年のインターハイは準決勝で敗れ、2年生での2冠を逃している。この1年の雪辱の思いが詰まったリングで結果を残した。「一緒に練習したチームメートや、県大会で戦ったライバル、支えてくれた周囲のおかげ」。2度目の全国制覇を謙虚に喜んだ。