バスケットボールBリーグ1部(B1)の強豪アルバルク東京に“新戦力”が加わることが3日までに分かった。「ルークロボ」と名付けられたロボットで、全長約70センチ、重さ約10・5キロ。赤い熊の球団マスコット、ルークを小型化した。

マスコットのアンドロイドロボット誕生はプロスポーツクラブ史上初めてという。15日に東京・国立代々木競技場で開催される群馬戦でデビュー予定。ルークをサポートし、会場でファンをもてなす任務などを担う。

A東京ではすでに、正確無比なシュートを繰り出すAIバスケットボールロボット「CUE(キュー)」が活躍する。同シリーズを開発するトヨタ自動車未来創生センターが、Bリーグで毎年開催される投票イベント「マスコット・オブ・ザ・イヤー」をルークに獲得させるべく、かわいらしい小型ロボットを完成させた。

同センターは東京五輪パラリンピックのマスコット、ミライトワとソメイティのロボット化にも携わった。その際に使われた遠隔操縦などの先端技術は、ルークロボにも活用されている。R-フロンティア部の野見知弘主査は「無観客開催となった東京五輪パラリンピックでは、来場者とロボットとの交流がかなわなかった。ルークロボでようやくそれが実現する」と胸を高鳴らせる。

ルークロボは遠隔操作に加え、プログラミングされた内容に沿って自らダンスを踊るなど、複数の方法で動くことが可能。すでに都内のトヨタ自動車本社にて、“本家”ルークとの初対面をすませた。興味津々の様子でちょっかいを出そうとするルークを前にしても、小柄なルークロボは表情を変えることなく堂々と、そして愛くるしく振る舞っていた。

トヨタの技術が結晶されたルークロボは今後、ホーム試合会場や小学校などを訪問し、ファンや子どもたちとチームをつないでいく。【奥岡幹浩】