女子決勝は旭川実が2-1で札幌山の手を下し、9年ぶり20度目の優勝を飾った。エースのアウトサイドヒッター笠井季璃(りり、2年)が2試合で42得点を挙げ、6月のアジア選手権で8連覇を達成したU-18日本代表主将の貫禄を見せた。全国大会(23年1月4~8日、東京体育館)に、男女上位2校が出場する。

最後はレシーブでチームに力を与えた。決勝第3セット24-18として迎えた、旭川実のマッチポイント。相手エースの急激に曲がり落ちるサーブに、笠井が反応した。体を伸ばして右前方に跳びコートに落ちる寸前でボールをすくい上げた。井関芹花(2年)がトスを上げ岡田奈々(3年)が決め9年ぶり頂点だ。「自分がバック(後衛)にいる時は、前にいいボールをつなぐことだけを考えていました」。日の丸キャプテンは事もなげに振り返った。

「普段はのんびり最後までごはんを食べているような子」(岡本祐子監督=44)が、コートの上で一変した。昨年の決勝では最後に自分のバックアタックが外れ準優勝。1年前の苦い思い出を忘れない。「悔しかったので、今大会でリベンジしたかった」という。

この日2試合5セットで決めた得点は、バックアタック2本、サービスエース1本を含む計42点。守備では強烈な相手スパイクにも体を投げ出しチームを鼓舞した。「(笠井が)自分だけじゃなく、チーム全体を引き上げてくれた。すごい成長が見られて、うれしかった」と岡本監督。アジア選手権で193センチの中国選手との対戦でも勝ち、トロフィーを抱いた自信が成長につながっている。

21日には、来年開催予定のU-19世界選手権に向けた日本代表候補1次合宿が始まる。北海道に戻れば、全国大会へ再スタートだ。「目標はベスト4以上。自分たちも必ずやれるはず」。大粒の汗を笑顔でふきながら、背番号4が宣言した。【中島洋尚】

■札幌山の手2年ぶり全国

札幌山の手は準決勝で旭川大高を逆転で下し、2年ぶりの全国出場を決めた。エース本田花那(かな、3年)は、母律子さん(51)が妹背牛商高で2学年上に元日本代表吉原知子がいて全国大会出場経験もある。本田は「朝にも『打つタイミングが早い』と母からアドバイスを受け試合の中で修正しました。いつも感謝しています」と笑顔だった。