女子で大会連覇が懸かる22年北京五輪銀メダルのロコ・ソラーレが“姉妹対決”を制してプレーオフ進出を決めた。若手主体のLS北見(ロコ・ステラ)と対戦。ロコ・ソラーレ創設者の本橋麻里(36)が相手のサードとして出場する中、ロコ・ソラーレは最終エンドに勝ち越し点を奪った。フィロシーク青森には3-8で敗れたが、1次リーグを通算6勝2敗の1位で突破した。男子は北見協会(キットカーリングクラブ)が1次リーグを首位で通過した。

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追い付くたびにリードを奪われる苦しい展開。それでも最後はロコ・ソラーレが、“姉貴分”として意地と実力を示した。同点で迎えた最終エンド、不利とされる先攻で2点をスチール。スキップ藤沢五月は「最後までわからない、見応えある試合だったと思う」と充実した表情を浮かべた。

対戦相手のLS北見は、普段はロコ・ステラという名称で活動する育成チーム。ロコ・ソラーレの“妹分”にあたるが、マリリンこと本橋麻里がサードとしてプレーし、チームをまとめる。五輪3大会出場の実績を誇る36歳のベテランはこの日も元気はつらつとプレーし、若い選手たちに的確な指示を送り続けた。

これまでチームメートとして聞こえてきたマリリンの声が、相手チームとして響く。藤沢は「対戦相手となっても麻里ちゃんの声はよく聞こえてきて、たくさんコミュニケーション取っているなと感じた。私たちも麻里ちゃんのようにやっていきたいと、あらためて思った」。チーム創設者であり、18年平昌五輪ではリザーブで主将を務めた戦友をたたえた。

妹分にあたるチームと、日本選手権の大舞台で対戦したのは初めて。藤沢は「ロコ・ステラの子たちは『ロコ・ソラーレみたいになりたい』とよく言ってくれているけれど、私たちとしては超えて欲しいと思っている」と後輩たちにエールを送る。「今後もお互いに刺激し合いながら、いい結果を残したい。また日本選手権や、世界トップの大会に2チームとも出られるようになっていければ」。仲の良い姉妹は、さらに大きく成長していく。

今季の公式戦では、ロコ・ステラとロコ・ソラーレは昨年9月のアルゴグラフィックスカップとアドヴィックスカップで直接対決。いずれもロコ・ソラーレが勝ち、先輩として貫禄を示していた。クラブの広報担当者は「これまで直接対決でロコ・ステラが勝ったことはないはず。今日勝てば大金星だったんですがね」とほほ笑んだ。【奥岡幹浩】

◆ロコ・ステラ 次世代の選手育成を目的として18年11月に結成された育成チーム。選手活動を休養していた本橋は、20-21年シーズンからチームのメンバーとして復帰した。現在は、16年ユース五輪出場経験を持つ24歳の佐々木穂香がスキップを務める。チーム名のステラは「星」を意味する。ソラーレは「太陽」。

○…ロコ・ソラーレ相手に大健闘したロコ・ステラの本橋は「『胸を貸してくれてありがとう』と思いながら戦っていた。楽しかった」と笑顔で振り返った。若手主体のチームにとって、世界で活躍する“姉貴分”は「近いお姉ちゃんだけれど、氷に乗るとすごく遠い存在。メリハリがあるお姉ちゃんたち」と表現する。プレーオフ進出はかなわなかったが、「全日本の常連になれるようなチームをつくりたい」。再び大舞台に戻ってくることを誓った。

○…ロコ・ソラーレは1次リーグ最終戦でフィロシーク青森に3-8で敗れた。相手に好ショットを何度も決められ、スキップの藤沢は「勢いのある相手に、ほぼパーフェクトにこられた。ああいうショットを決められると、どうしようもない」と脱帽。それでも1次リーグ首位通過となり、「試合の入り方や、修正するところができればいい試合できると思う」と気持ちを切り替えた。

○…男子は1次リーグ最終戦でSC軽井沢クに土をつけた北見協会が通算7勝1敗とし、直接対決の結果で1位通過を決めた。スキップ平田は「目指してきたことはあくまで優勝」と話した。連覇を狙うSC軽井沢クは2位となり、4日のプレーオフで北見協会と再戦。コンサドーレとTM軽井沢はいずれも6勝2敗で、それぞれ3位と4位で1次リーグを突破した。