22年北京オリンピック銀メダルのロコ・ソラーレ(1次リーグ1位)が、連覇に王手をかけた。プレーオフで中部電力(同2位)を下し、5日決勝への直行を決めた。逆転勝ちを決めた一戦を、サードの吉田知那美(31)は「ゾンビゲーム」と表現。スキップの藤沢五月(31)は明石家さんま(67)の“金言”を胸に戦っていることを明かした。決勝では、1次リーグ4位からプレーオフ、準決勝と勝ち上がってきたSC軽井沢クラブを迎え撃つ。

    ◇    ◇    ◇  

前半の苦戦がうそのように、ロコ・ソラーレは後半5エンド連続で得点を重ねた。打たれても決して倒れずよみがえる-。吉田知は「ゾンビのように食らいついていけた」と言った。今季、国内外で多くの試合を戦ってきた中で、ベストパフォーマンスを後半に持っていく練習を繰り返してきた。その成果を発揮しての逆転勝ち。「ナイスゾンビゲーム」と胸を張った。

1次リーグは6勝2敗。同リーグ最終戦では、チーム結成2年目のフィロシーク青森に金星を献上した。ライバルたちのレベルが上がってきていることもあるが、戦い慣れた海外とは異なるアイスコンディションにも手を焼いた。

1月にワールドツアー最高峰グランドスラムのカナディアン・オープンで優勝。しかし、今大会は、そのパフォーマンスを発揮できずにいた。藤沢に募るもやもや感…。そんな気持ちを一変させたのが、インターネットで見かけた明石家さんまの言葉だった。

「『今日はうまくいかなかったと反省することはないんですか』と聞かれたさんまさんが、『そう思って落ち込んでしまうのは、自分自身を過信しすぎているから』というふうに答えていて。この考え方はいいなと」

調子が良い時も悪い時も、それが等身大の自分。お笑いモンスターの言葉を、常に自分自身とどう向き合うかが肝要、と解釈した。「今日の試合ではこれが自分のピーク。また明日は、明日の人生のピークがくると思います」。

今大会中では、藤沢自身は投球寸前に転倒し、セカンドの鈴木も氷上を移動中に足を滑らせた。5日の決勝は、チーム初となる2連覇、そして通算4度目の優勝がかかる大一番。それでも藤沢は、「決勝でも転んで…は駄目だけれど、でも転んでもいいと思えるぐらい楽しみたい」。さんまばりのポジティブ思考。最後は明るく「お楽しみに!」と笑い、会見場を後にした。【奥岡幹浩】