5日にアラブ首長国連邦(UAE)シャルジャで開催されたスケートボード・ストリート世界選手権で、同種目史上最年少メダルとなる3位を獲得した12歳の小野寺吟雲(ぎんう)が7日、成田空港に帰国し、初舞台を「しっかりできて良かった」と振り返った。

到着ロビーに集まった多くのファンに出迎えられた12歳は、笑顔と会釈で対応。囲み取材で今後の目標について問われると、「宇宙でスケートボードをしたい」と話すなど、スケールの大きさを感じさせた。

24年パリ五輪の予選対象大会第2戦を兼ねた同大会の決勝で263・04点を記録し、史上最年少メダルを獲得。異次元のトリック(技)を次々と繰り出し、時代に先駆けるスタイルで世界に衝撃を与えた。それでも小野寺は「ただ好きでスケボーをやっているだけ」と、偉業達成にもあっけらかん。「眠い。帰ったらすぐに寝る。7時間くらいしか寝てないので。あと、ワンタンスープが食べたい」とおちゃめな一面ものぞかせ、報道陣の笑いを誘っていた。

7歳から本格的に競技をはじめ、8歳で国際大会に出場。昨年11月にはマイナビ日本選手権を史上最年少の12歳で制した。記録だけでなく、難しいトリックに挑戦する姿が海外で注目を集め、インスタグラムのフォロワーは16万人(4日時点)を超える。初の主要国際大会とは思えぬ強心臓ぶりで、予選から実力を発揮した。

◆小野寺吟雲(おのでら・ぎんう) 名前は、禅語「龍吟雲起(りゅうぎんずればくもおこる)」から。7歳ごろから本格的に滑り始める。昨年はアマチュア最高峰のタンパ・アマ(米国)で準優勝し、日本選手権は初出場で史上最年少優勝。146センチ。中学1年の12歳。横浜市出身。