バスケットボールBリーグのベルテックス静岡をトップとしてけん引し、リーグ参入4季目でB3から来季B2に昇格させた松永康太社長兼ゼネラルマネジャー(39)がこのほど、日刊スポーツの取材に応じた。チームは2019-20季の10位から、4、3、3位と着実に成長。プレーオフ(PO)の実施された今季、準優勝して18年のチーム創立から5年で、悲願の昇格を果たした。松永氏は苦悩の時間も多かったと振り返り、目標達成まで「長かった」と実感を込めた。

クラブは理念に「スポーツで、日本一ワクワクする街へ。」を掲げ、地域に根ざした運営を行っている。今季チームはPO最終戦まで熱戦を演じ、ブースターを熱狂させ続けた。シーズンスローガン「オール・イン-すべてを、出しきれ。」を「選手らが体現してくれた」と松永氏。人間性が素晴らしい選手を中心に集めていると明かし、これまでの多くの選手が「昇格につながるチームの礎を築いてくれた」と感謝した。

それ以上にチームが強くなるため、地元各パートナー企業の存在が欠かせなかったとし「オール静岡で、みなさんの下支えがあってこそ、いいチームがつくれた」。経営土台構築のための資金協力に深謝した。

またB1ライセンス取得に欠かせない収容人数5000人規模の新設アリーナについて言及。静岡市がJR東静岡駅前に誘致を進める新アリーナの早期実現に期待を寄せる。スポーツでワクワクする街の発展のため「静岡にあるべきアリーナ。私たちをきっかけに機運が高まれば」と続けた。

B2ではこれまで以上に高レベルの戦いとなる。今季B3で残した勝率は「0・788」。初年度は「そこまで圧倒的な数字は残せないだろう」と現実を見据えるが、次の目標であるB1昇格に向け、避けて通れない道。新たな舞台でも「チャレンジ精神をもち、勝率5割超えを目標にPO進出を狙いたい」と力を込めた。【倉橋徹也】