プレーオフの1部(B1)王座を争うチャンピオンシップ決勝が始まり、琉球ゴールデンキングス(レギュラーシーズン西地区1位)が千葉ジェッツ(同東地区1位)に96-93で先勝した。第3クオーターに追い付かれたが、粘り強く応戦。2度にわたる延長戦の末、最後は今村佳太(27)が奮起して勝利をつかんだ。28日の第2戦を勝てば初優勝となる。

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82-82と同点のまま再延長戦に突入することが決まったとき、琉球の今村は自身の直前のプレーを悔いていた。残り2・5秒、中央付近からドリブルで仕掛けたが、シュートを打たず外へパス。このボールを相手にカットされて得点機がついえた。「これで負けたらやり切れない。ダブルオーバータイム(再延長)では悔いの残らないように、アグレッシブにプレーしよう」

さらなる5分間の再延長戦。開始早々に放った外角シュートは外れたが、それでも今村は積極性を失わなかった。直後に放った3点シュートは見事成功。チームに貴重な勝ち越し点をもたらした。その後も、ふわりと浮かした技ありシュートを決めるなど得点を重ねた。

B1新潟から移籍して3年目の27歳。日本代表に選出されるなど、琉球に欠かせない存在へと成長した。この日はなかなかリズムに乗り切れなかったが、最後に奮起。桶谷監督は「(今村)佳太はうちのエース。これを乗り越えたら日本一のプレーヤーになる」。第2戦へ向け、さらなる期待を寄せる。

初めてCS決勝に進出した昨季は宇都宮に敗れ、今村は悔し涙を流した。あれから1年。コート上でファンを前に誓った。「今年こそ皆さんとうれし涙を流せるように、明日も勝ちたい」。歓喜の瞬間まで、あと1勝だ。【奥岡幹浩】

 

○…序盤の劣勢を跳ね返して後半に追い付いた千葉Jだが、あと1歩及ばなかった。両チーム最多31得点を挙げた主将の富樫は「かなりタフな試合だった」。広島と対戦したCS1回戦でも初戦を落としたものの、あとがない状況での2連勝で勝ち上がった。「その経験もあるし、ここでギブアップするようなチームではない。もう1度チームが1つになって明日も戦えたら」と気持ちを切り替えた。