新潟経営大、新潟中央短大、加茂暁星高を運営する加茂暁星学園がスポーツを中心に全体の改革に取り組んでいる。今春、新潟経営大の女子サッカー部が活動を始め、来春には女子駅伝部が発足する。来年以降は加茂暁星高もその流れに連動していく予定だ。草間俊之校長(68)が同校の今後の展望などについて話した。

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-加茂暁星のサッカー部は今春、長崎日大の監督だった亀田陽司氏(50)を新監督として招聘(しょうへい)した

草間 彼と面談したのですが人格者です。周囲をしっかり見ています。サッカーを通じた地域起こしにも貢献するという意思もあります。高校としても大きい決断ですが、長崎から新潟に家族で移住してきてくれて彼も覚悟を決めてくれています。サッカー部は強化指定部。校内でも影響があり、大きな動きです。

-スポーツで学校を変えていく

草間 今、高校だけでなく、学園全体でスポーツで活性化を図ろうとしています。その流れで何かをしていかなければならない。ただ、いろいろな面の変化、特に設備などもあるので、長い目で見なければならないことも確かです。

-少子化の中、高校でのスポーツの位置付けは

草間 個性重視が言われる中、お互い尊重し合うという意識を育むことができるのがスポーツだと思っています。「みんなは1人のために、1人はみんなのために」。こういう精神は大切だと思います。うちの高校では物事の考え方や取り組み、行動など生活社会活動に役立つ「非認知能力」の向上を目指しています。その面でもスポーツはきっかけになります。

-部の強化について

草間 強化指定部がサッカー、野球、女子バレーです。まずここをしっかり基盤から充実、発展させることです。選手の獲得や施設の整備は早急にできなくても必要になってくる。加茂暁星の部活で育った生徒が新潟経営大に進むルートを作ることは学園としての流れです。ただ大切なのは生徒に向き、不向きを提示してあげること。大学に送って終わりではありませんから。生徒たちが望む進路、適した道に行けるようにすることが第1。ほかの大学を希望することも、大いに結構です。

-変化を推進する中での楽しみは

草間 人間ほど刺激的なものはありません。生徒の成長を見るのは楽しみですね。若い人と関われること、そのものがうれしいです。【構成・斎藤慎一郎】

◆草間俊之(くさま・としゆき)1954年(昭29)11月17日生まれ、上越市出身。高田高から横浜国大に進学。卒業後、加茂暁星高の教員を務め、その後に公立高の教員に。高田高、新潟高、新潟第一高の校長、県職員を経て、20年から新潟中央短大の学長、23年4月から加茂暁星高の校長。加茂暁星学園理事。