宇都宮ブレックスが2019ー20シーズンにつくったチームの連勝記録(15)に並んだ。

苦しんだ末に歓喜が待っていた。前日に104失点した仙台は守備を修正し、宇都宮の武器である3ポイント(P)シュートを抑えにかかった。宇都宮の3Pシュート成功は第3クオーター(Q)まで5本。前日の20本成功から大幅減で、粘る仙台を突き放せず、第4Q残り約5分で4点差にまで迫られた。

ピンチを救ったのも3Pシュート。遠藤祐亮だ。第4Q残り約3分。D.J・ニュービルのフリースローがリングに嫌われたが、アイザック・フォトゥが反応。こぼれたボールに比江島慎が飛び付き、コート外に飛び出る直前に体をねじってフォトゥにパス。フォトゥがすぐさま、空いていた遠藤にボールを預け、ノーマークの遠藤が決めた。

「日本を代表するプレーヤーの比江島がルーズボールでリバウンドを取るというのは気持ちが出ていたと思うし、ハッスルしたプレーのあとで決めなければいけない場面だった」

控えめな遠藤にしては派手に喜ぶ姿に、一連のプレーの価値が表れていた。粘る仙台に再び10点差をつけると、約30秒後に再び遠藤が3Pシュートを決め、勝利を確実にした。

「4点差に詰められて危なかった。我慢して勝ち抜くことができた」

そう遠藤が振り返るように、ターンオーバーも15を数えるなど、集中力を欠く場面もあった。「うまくいかないことがあっても下を向かずやっていこうと、みんなで声をかけあっていた。ミスしても切り替えていくことが、これからの戦いでは大事になっていく」。地区優勝争い、その先のチャンピオンシップを念頭に遠藤が強調した。

佐々宜央(さっさ・のりお)ヘッドコーチは「タフな2試合だった」と振り返りつつ、「D.Jのシュートがなかなか入らないなかで94点を取れているのは良かった」と話した。チームとして成長し、力の底上げがあったからこその15連勝だ。

2位アルバルク東京が千葉ジェッツに負け、ゲーム差は2に開いた。チーム新記録の16連勝のかかる次の試合(27日)は、千葉Jが相手。2月14日の天皇杯準決勝のリベンジもかかる。「言われなくても選手たちは意識をしている」と佐々ヘッドコーチ。遠藤は「頂点を目指すチームが同じ相手に2度負けることがあってはならない」と、強い口調で決意を示していた。【沢田啓太郎】