【モントリオール(カナダ)24日=阿部健吾】フィギュアスケートの世界選手権を4位で終えた宇野昌磨(26=トヨタ自動車)がフリーから一夜明けたエキシビション前に取材に応じ、「僕としては全然納得している」と、前夜と変わらぬすがすがしさにあふれた。3連覇には届かなかったが「いい出来事だった」と捉えた。

この2季は競技者を離れることも考えながら、後輩たちの壁になり、成長してほしいという気持ちも支えに現役を続けた。今大会で銀メダルを獲得した鍵山などの世代を念頭に「そう(成長を助けた)であってくれると、すごくうれしい。本当に苦しかったことが多かった」と振り返った。

同時に初優勝したマリニンには、「心から勝ちたいという気持ちになれなかった」とも明かした。チェン、羽生を追っていた北京五輪までの日々。「競技者の精神は2人が現役を退いた時点で難しいものになっていた」と自身を見つめた。

今後は、「いったん休んで、またたくさんショーにも出させてもらいますし、今後考えていきたい」と前夜と同じ言葉を重ねた。交際する本田真凜さんが中継局のリポーターとして現地入りしていたが「すっごい忙しそうなので、全然会えていないので、帰ったら一緒に過ごしたいと思います」と笑顔をみせた。

○…2年ぶり3度目の銀メダルを獲得した鍵山優真(20=オリエンタルバイオ/中京大)は、ケガからの復帰シーズンを終え、「よくここまで戻した。来季は4回転ジャンプを1本増やすことが必須。地道に努力したい」と笑顔で話した。フリーの4回転でトーループを2本にして3種類、計4度とする構想。マリニンに完敗したが、「絶望していない。(2年後の)五輪までには肩を並べたい」と前向き。カナダに残り、早くも来季のフリーを振り付ける。