北京五輪柔道男子100キロ超級金メダリストの石井慧(21=国士舘大)の総合格闘技転向が6日、確実となった。全日本柔道連盟(全柔連)の吉村和郎強化委員長は同日、石井について「本人が『総合格闘技に行きたい』と言っている」と明らかにし、「自分の道をいけばいい。ロンドン五輪は考えられない」と強化の構想から外す意向を示した。

 石井は5日に一部で格闘家転向を決意したと報じられたが、報道陣には「プロになる気はない」と否定した。だが5日夜に吉村委員長が石井に確認したところ、転向の決意を述べたという。

 全柔連の上村春樹専務理事も6日、「本人が決めること。止めはしない」と容認する姿勢を示した。

 石井は五輪前から総合格闘技への挑戦を希望しており、五輪後もイベントなどで派手なパフォーマンスを披露していた。

 全柔連は規定により、選手が柔道以外の格闘技系競技(プロレスやK-1など)でプロ登録または契約することを禁止しており、石井は柔道界を去った上で総合格闘技に挑戦することになる。

 過去に柔道からは小川直也、吉田秀彦、滝本誠ら五輪メダリストがほかの格闘技に転向したが、石井のようにトップ選手のままで転向するのは極めて異例のこととなる。(共同)