国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ会長は24日、2012年夏季五輪の舞台となるロンドンで講演し、「ロンドンはロンドンであればいい。五輪はそれぞれが異なり、1番や最高は存在しない」と述べ、国家的な大事業だった北京五輪と張り合う必要はないと強調した。

 講演はこの日から本格的に始まった五輪引き継ぎ会議に際して開かれ、同会長は「閉会式で五輪旗を渡された次回開催都市は、五輪史に新たなページを書き始めるが、同時に将来の五輪がさらに発展するための遺産を残すことが求められる」と説明した。

 27日まで開かれる会議には、北京五輪組織委員会から約80人が参加。輸送、宿泊、アクレディテーション(資格認定)などのテーマごとに大会開催で得た知識や経験を伝達する。

 16年夏季五輪の招致を目指す東京、シカゴ、マドリード、リオデジャネイロの関係者もオブザーバーとして参加しており、東京の河野一郎・招致委員会事務総長は「細部にわたる実質的なやりとりがあり非常に役に立つ。(来年2月に提出する)開催計画書に反映させたい」と話した。