柔道男子66キロ級のアテネ、北京五輪金メダリストで、九州看護福祉大(熊本県玉名市)女子柔道部のコーチを務める内柴正人客員教授(33)が、セクハラ行為をした疑いがあるとして、同大学が調査委員会を設置して事実関係を調べていることが8日、分かった。内柴氏は現在、大学の指示で自宅待機をしている。

 大学によると、情報が寄せられたのは9月下旬。学内の関係者から、内柴氏が同月、県外で柔道部の女子学生にセクハラ行為をしたという相談があった。大学は10月に入って調査委員会を設置。未成年の学生に飲酒をさせたという情報もあり、それも含めて非公開で事実関係を調べている。

 大学事務局は「調査は非公開なので、双方の言い分は分からない。(調査結果の)メドが見えるまでは自宅待機。遅くとも年内にはまとまるはず」と話した。結果がクロと判断されれば、免職や停職などの懲戒処分が下される可能性もある。

 内柴氏は04年アテネ、08年北京両五輪の66キロ級で2連覇を達成した。特に北京五輪の優勝時は、観客席に向かって長男の名前を連呼し、国民の感動を呼んだ。09年から九州看護福祉大の非常勤講師を務め、昨年4月から女子柔道部のコーチに就任。同年10月に現役引退後はコーチ業に専念し、今年1月から客員教授を務めていた。

 ◆内柴正人(うちしば・まさと)1978年(昭53)6月17日、熊本県合志市生まれ。9歳で柔道を始め、国士舘高、国士舘大卒業後、旭化成に入社。国際大会の男子60キロ級で結果を残すが、減量に苦しみ66キロ級に転向。04年、アテネ五輪男子66キロ級でオール一本勝ちで金メダルを獲得した。08年には北京五輪で同級2連覇。09年4月に九州看護福祉大の非常勤講師となり、10年4月に女子柔道部のコーチに就任。同年10月に現役引退を表明し、今年1月に同大の客員教授に就任。160センチ、66キロ。B型。