【ケベック(カナダ)7日(日本時間8日)=今村健人】9日(日本時間10日)に開幕するフィギュアスケートGPファイナルの公式練習が行われ、初出場の羽生結弦(ゆづる、17=東北高)が“下克上”を誓った。初練習にも物おじせず、果敢に4回転ジャンプに挑戦。転倒は何度もしたが、計3度成功し、1度は3回転との連続ジャンプも決めた。

 出場6選手中6番目に選ばれた男子最年少。失うものは何もなかった。ジュニアGPファイナルの出場は1度あるが「ジュニアと違って、これ以上の上の人はいない。来られてすごいうれしいし、しっかり結果を残したい」。若さと勢いの中に、野心をちらつかせた。

 ファイナル出場が初めてならば、北米での試合も初体験。初物づくしの中で、7日に17歳の誕生日を迎えた。家族からは出発前に、家庭用ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」を贈られた。「その年に活躍できたかどうかで物が違う」という贈り物は、世界ジュニアを制した昨年の携帯版「プレイステーション・ポータブル(PSP)」からグレードアップ。そこには、今大会の好成績への家族の熱い期待が込められていた。

 男子最年少優勝を果たしたロシア杯を引き合いに「この前の自分に勝てるように」と言った。日本男子初のファイナル優勝を目指す。