<競泳:東京都選手権>◇初日◇28日◇東京・辰巳国際水泳場◇女子200メートル背泳ぎほか

 女子200メートル背泳ぎの寺川綾(27=ミズノ)が、決勝で2分8秒01の自己ベストをマークし、大会4連覇を飾った。日本歴代3位の記録で、昨年の世界選手権に置き換えると5位相当だった。時を同じくして、五輪の公式パートナーP&G社は、同社のヘアケア・ブランド「パンテーン」のビューティー・アンバサダー11人に日本から唯一、寺川を選出。世界から認められた美女スイマーが、ロンドン五輪の表彰台に向けて絶好のスタートを切った。

 五輪イヤー初戦で、寺川がスタートから飛び出した。最初の50メートルを29秒94で入ると、競り合う相手はいない。力みのない大きな泳ぎでスイスイと加速していく。表示タイムは2分8秒01。北京五輪銅メダリスト中村礼子の日本記録(2分7秒13)には届かなかったが、3年ぶりの自己ベスト。日本歴代3位の記録で、2位に5秒以上の大差をつけた。

 寺川は「ベストは出るかな、って感触はあった。何か惜しいな」。年末年始は平井コーチの指導のもと、「地味トレ」と呼ぶ徹底した泳ぎ込み。「めげずに練習したことが結果となって表れた。ベースがしっかりできている」と五輪に向け、順調にステップを踏んでいることを実感した。

 そんな寺川に、世界がいち早く目をつけた。五輪公式パートナーのP&G社が手掛けるヘアケア・ブランド「パンテーン」が世界の美女アスリート11人を選出。イメージキャラクター契約を結び、五輪に向けて商品提供など支援していくことを発表した。「ビューティー・アンバサダー」の名前の通り、美貌と競技力が買われた格好だ。

 寺川は「塩素の水につかっているので、髪が傷みやすい。だからうれしい」と満面の笑み。そして「オリンピックイヤーなので、技術よりも気持ちが大きい」。美のサポートを受ける美女スイマーは、あえて泥臭くロンドンを目指す。【佐藤隆志】