<全農カーリングソチ五輪世界最終予選日本代表決定戦>◇第2日◇1次リーグ◇13日◇札幌・どうぎんカーリングスタジアム

 「五輪の町」からカーリング初のきょうだい同時五輪へ-。男子はSC軽井沢クラブが、無傷の4連勝で1次リーグを突破。女子は中部電力が連勝で通算2勝1敗とした。両チームには兄と妹でソチを狙う清水きょうだいがプレーしている。国内で唯一、夏季と冬季の五輪を開催した長野・軽井沢町で育った徹郎(25)と絵美(22)が、手を携えて、初の快挙を目指す。

 「氷上のチェス」で、きょうだい五輪を目指す兄と妹がいる。徹郎のSC軽井沢クラブは無傷の4連勝を飾った。絵美の中部電力は開幕黒星、漏水ノーゲームにめげず、この日は札幌国際大に連勝。今日14日に1日3試合を戦い抜いて、プレーオフ進出を狙う。絵美は「きょうだいで一緒に五輪に行けたらうれしい」。

 98年2月、軽井沢町。長野五輪のカーリングが開かれた。64年東京五輪での馬術に続く開催で、同町は夏と冬の五輪を行った国内唯一の地となった。2人は15年前、父淳一郎さんが大会ボランティアを務めたこともあって試合を観戦した。10歳だった徹郎は「大きなイベントだな」。7歳だった絵美は、大会マスコット「スノーレッツ」に夢中だった。「一緒に写真を撮ったのを覚えてます。試合のことはあまり覚えてないですけど」と笑う。夏冬の五輪がやってきた快挙への祝祭ムードが、徹郎と絵美がソチを目指す原点だ。

 きょうだいが所属する両チームは地元・軽井沢町が拠点。練習試合を行うこともある。徹郎は「(妹と)目指すところが同じ。バンクーバーは現実味がなかった。今は何としてもソチに行きたい」。きょうだい同時五輪をつかむために、勝利を目指す。【益田一弘】

 ◆清水徹郎(しみず・てつろう)1988年(昭63)2月10日、長野・軽井沢町生まれ。小学校の授業で、10歳から競技を始める。身長180センチ。ポジションはセカンド。

 ◆清水絵美(しみず・えみ)1990年(平2)12月21日、長野・軽井沢町生まれ。3歳で初めて氷に乗って、7歳で競技を始める。身長164センチ。ポジションはリード。