真央に続き条治も-。男子スピードスケートのエース加藤条治(29=日本電産サンキョー)が来季休養することが20日、分かった。06年トリノ五輪から3大会連続の金メダル候補として日本を引っ張ってきた。現役続行は決めているが、4年後の平昌五輪で再び世界の頂点を目指すためにも、1年間はリフレッシュが必要と判断した。

 3大会連続で金メダルを期待される重圧は想像を超える。ソチ五輪前には周囲に「五輪が終わったら、オレ死んじゃうんじゃないかな」とこぼしたという。極限までに追い込んだ肉体はもちろん、精神的にもギリギリの状態で滑り続けてきた。1年間の休養は4年後の金メダル挑戦に向けた前向きな選択だった。

 ソチではオランダ旋風もあり5位に終わった。直後は引退もよぎったが、落ち着くと「続けたい」との気持ちが生まれた。休養する1年間は疲労回復を図る一方で、練習は続けていく。目の前の大会の勝負を度外視できることで、長期的な視野に立った肉体、フォーム改造にも取り組めそうだ。

 10年バンクーバー五輪銅メダリストで、W杯通算14勝の第一人者。日本連盟幹部も「実績があるし、1年休んでも問題ない」と、休養後も主要大会から出場できそうだ。ソチではスタートでつまずくミスを犯してメダルを逃した。まだ進化できる実感もある。1年間の休養期間が、スケート人生のプラスになることは間違いない。

 ◆加藤条治(かとう・じょうじ)1985年(昭60)2月6日、山形市生まれ。山形滝山小1年からスケートを始める。山形中央高3年時に日本短距離初の高校生W杯代表に選出。03年4月に実業団の三協精機(日本電産サンキョー)入社。05年11月W杯500メートルで34秒30の当時世界新記録。06年トリノ五輪6位、10年バンクーバー五輪は銅メダル。2月のソチ五輪は5位。W杯通算14勝。12年6月、2歳下の一般女性と結婚。165センチ、65キロ。